なべしの「この本いいな」diary

人生をよりよくする秘訣を学ぶために作りました

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

人には「心が開いている」時と、「心が閉じている」時があります。

あなたは「今自分は心を開いている」とか「今自分は心を閉じているな」と客観的に自分を見つめ、自分の心の状態に気づきながら生活しているだろうか。

 

読んだ感想としては、周囲の人となかなか上手くいかない人におすすめの本です。

「うまくいかないその原因は、実は自分にあるよ」と教えてくれます。

 

人の心理を箱で表現し、どのようにしたらより良くなるのか。この中で私自身が参考になった事について三つ上げていきます。

 

箱の中に入っていませんか?

 

話す態度、言葉の使い方、声のトーン、顔の表情などから、人は自分がどのように扱われているのかをすぐに見分けられます。

この本が指し示す対人関係のもつれの根本的な部分は、以下です。

人はどのようにして人間関係がこじれていくのか、その過程を

  1. 物事が起こる
  2. 自分を正当化し、相手を責める
  3. 相手からすると自分がどのように扱われているかわかる
  4. 双方が双方を責め合う

として、どんどんこじれていく様子が描かれています。

この一番の問題が自己正当であり、これをどのように改善するかについて記載されています。

アドラー心理学と共通する部分ですが、自己正当する事により、相手を悪くいう理由を作るなど自分を正当化するために、相手を攻撃します。

これを本書では「箱」の中に閉じ込めれた状態といいます。

 

そもそも「箱」とは何なのか

 

本書では「箱」のことを自己欺瞞だと表しており、

「箱」に入る過程は自己正当化のことをさします。


例えば、子供が夜泣きをして目が覚めてしまった時に「自分が起き上がって世話をしよう、そうすれば妻は寝ていられるのだから」と思っている時は「箱」の外にいる状態です。

しかし、そう思ったのに「疲れているから」などの理由で子供をあやしに行かず、寝たふりを始めたところから人は「箱」の中に入り始めます。

こうなると、「どうしてさっさと起きて子供をあやさないんだ」「どうせ昼だってのんびり過ごしているくせになど妻への攻撃へと意識が向き、

妻は怠け者で思いやりがないひどい人間だから、自分は手を貸す必要はないと自己正当化に走ります。


こうした自己正当化の結果、何かしらのきっかけでその考えが出ると、

相手も自分の箱の中に入ってどんどん抵抗し、

お互いがお互いを非難し合うような状態になってしまいます。

このような状態をどう抜け出したらいいのでしょうか?

 

「箱」の外に出るためには?

 

・「箱」の中から攻撃してしまった人たちに心から謝る
・自己正当化の前の本当に正しいと思っていることを行う

・自分が「箱」の中にいるのではないかと疑う
・相手の話をよく聞く

 

ここで最も大切なのが、正直であることです。

相手を人としてありのままの存在で見ることです。

自分とは、価値観や現実が異なっている存在と認識することです。

 

相手は、あなたと同じ考えをしているわけではありません。

自分の現実=相手の現実は間違いであると認識するようにしましょう。


とはいえ私は誰と、どんな関係を築きたいかに応じて「箱」の外に出るか「箱」の中に閉じ籠るか切り分ければ良いと思います。


実際に「箱」の外の行動を取り、相手も「箱」の外に出てきてくれる人間であれば、その人とは互いに「箱」の外で良好な関係を築いていけばお互いにとってハッピーになるでしょう。

 

ですが、こちらが「箱」の外に出て行動していることを認識しても利用されるだけということも少なくありません。こうした人間に対しては自分も「箱」の中に入り込んで、なるべく関係しないよう切り捨てるための行動を取った方が良いと思います。

 

※感想

アドラー心理学とほとんど同じ事を言っているな、と感じました。

この本には、自己正当という言葉が多く出てくるのですが、

まさにこれは「可哀想な私」に共通する事ですし、

その解決方法に関しても、アドラー心理学と同じです。